忘れられた隣人達
今日も、誰も私の名前を呼んでくれなかったよ。
遠い昔・・・。
お母さんは、梅ちゃん梅ちゃんって・・。
1日に何度も呼んでくれた。
懐かしい懐かしい私の母の声。
「梅ちゃん、梅ちゃん」って、
1日に何度も呼んでくれた。
小さい弟や妹達は、「姉ちゃん、姉ちゃん」って・・・。
いつも私の後を追いかけて来てくれたっけ。
愛くるしい目をして「姉ちゃん、姉ちゃん」って・・・・何度も呼んでくれた。
お友達は、私のことをウッチャン、ウッチャンって・・・
ウッチャン遊びましょうって・・・。
毎日、呼んでくれた。
それから・・・
あの人は私のことを「梅さん、梅さん」って・・。
無口で不器用な人だったけれど、
照れたような顔をして、はにかみながら「梅さん」
って呼ぶ声が好きだった。
あの人に早く会いたいよ。
そして、あの人は、いつの間にか子供達と一緒に、
「お母さん、お母さん」って・・・(^.^)
子供達と、あの人が1日に何度も何度も、
「お母さん、お母さん」って・・・。
いちばん幸せな時だった。
「おばあちゃん、おばあちゃん」って・・・。
あの子達が、私を呼んでくれると、私はもう、
天国にいるように幸せで・・・。
「おばあちゃん、おばあちゃん」って・・・。
何度でも何度でも聞きたい言葉。
梅ちゃん、
姉ちゃん、
ウッチャン、
梅さん、
お母さん、
おばあちゃん、
私を呼んでくれたみんなは、どこに行ってしまったのだろう・・・。
今日も・・・・
誰も私の名前を呼んでくれなかったよ。
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