「雅歌」と与謝野晶子
「君死にたまふことなかれ」
私がこの歌と出会ったのは、確か中学三年生の時だったと思います。
教育実習でいらした男の先生が朗読して下さったという記憶があります。
「君死にたまふことなかれ」
初めて聞いた、この歌に、強い衝撃を受けた事を覚えています。
とても激しいこの歌は私を惹き付けずにはおきませんでした。
その後も、与謝野晶子さんって、どんな女性なのだろうという関心を持ち続け、知るほどに惹き付けられました。
そして、随分長い期間、彼女に憧れました。
この時代(与謝野晶子さんの時代)に、この歌を発表した、彼女の勇気と情熱と激しさ・・・
まさに、命がけであったろうと思います。
命と引き換えであったろうと思います。
命より大切なものを持っていらした一人の女性に、中学生最後の年に出会えた事は、私にとって幸せなことでした。
そして少し時がたち、今度は、
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やは肌の
あつき血潮に
ふれも見で
さびしからずや道を説く君
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の、有名な歌に出会います。
恋に落ちた女性のストレートな本音です。
取り繕わない本音です。
私は、彼女のこの歌にも強く惹かれました。
この歌も、この時代の女性の歌としては衝撃的であり、非難も随分されたことと思います。
けれど・・・私は、本音の歌が好きです。
そして・・・・。
又、しばらくして、今度は、聖書の「雅歌」に私は出会います。
雅歌は信者の間で何故か余り話題に出たり、取り扱われたりしないのですが、私は個人的に大好きです。
この、おおらかで美しすぎる恋の歌は、やはり私を強く惹き付けました。
どの節のどの章も大好きです。
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あの人が左の腕をわたしの頭の下に伸べ
右の腕でわたしを抱いてくださればよいのに。
エルサレムのおとめたちよ、誓ってください
愛がそれを望むまでは
愛を呼びさまさないと。
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文句なしの共感です。
思えば、雅歌も与謝野晶子さんの歌も、とことん本音です。
私はどうやら、とことん本音が好きな様です。
綺麗事や、建前や、まわりもった言葉や、飾った言葉・・というのは、あまり好きではない様です。
どんな立派な言葉より、人としての、とことん本音の言葉しか、私の心には響かない様です。
皆様も、そうではないかと思うのですが、如何でしょうか?(^.^)
目を背けたくなる様な本音でも・・・
嘘の言葉より素敵・・・私の本音です(^.^)
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君死にたまふことなかれ
・・・・・・・・・・・・
親は刃をにぎらせて
人を殺せとをしへ(教え)しや
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや
・・・・・・・・・・
by 与謝野晶子
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